シアヌークビル小旅行週末、シアヌークビル(カンポンソン)という、海辺の町に行ってきました。プノンペンからバスでおよそ4時間南に下った、タイ湾に面した海岸です。 初めてプノンペン以外の場所を訪れましたが、海も面白かったけれど、行くまでの景色の移り変わりも面白かったです。 まずプノンペンの街の中心。ここら辺は街路樹なんかが植わっていて、なかなかきれい、そしてだんだんと郊外へ。。村でもなく、街でもない、こういう郊外というのは、なんとなくさびしさを感じるものです。更地と大きな建物と、時々畑と、マーケットとモトドック(バイクタクシー)。そして溝に溢れるゴミ。。 そんな混沌とした郊外を通り過ぎると、遠くにうっすら山が見えてきます。川が流れ、たくさんの貯水池が現れ、そこに睡蓮が咲き乱れます。牛が草を食み、水牛が水浴びをし。高床式の家々。学校帰りの子供たち。ああ、村っぽいなあ。。としばし和みます。 2時間後に一回、トイレ&食事休憩がありました。ドライブインみたいな食堂があって、乗客が降りると果物やゆで卵の入った籠を頭に載せた子供たちがわっと群がってきます。 夫はこの国の子供たちの背が低いのをしきりに気にしていました。 小さな子供たちも親を手伝って物売りや牛追いをしていますから、年齢が上に思えるのかもしれません。でも多分栄養不足のせいでしょう。時々髪の毛が金髪っぽい子も見かけますが、これは典型的な栄養不足の表れです。 ここでは水を買って、それから肉まんを食しました。ものすごくまずい肉まんでした。。一体何(の化学調味料)が入っているのやら。。 緩やかな山道をいくつか越えて、海へと向かいます。ちょうど4時間経った頃に、ぱっと目の前に海が広がりました。 海だ! それから。。クレーンだ!クルーズ船だ!! まず目にした海はシアヌークビル港でした。 どこかの(多分シンガポール)クルーズ船が入港していました。 さらにいくつかのクレーンが。しかし、なすすべもなく寂れています。 バスはぐるりと大きなカーブを描くようにして、町へと入ります。 バス停に行くまでに見たシアヌークビルの町は、やっぱり静かで、漁村から観光地に昇格したけど、今度また寂れてます。という感じの町。(失敬) ここからモトドックに乗って、海岸へ行きました。 さてバスの旅ですが、普通に快適でした。 夫は道中ガンガンに流れるクメール・カラオケ・ビデオに辟易していたようでしたが、結構面白いビデオもあって、文化の勉強になりました。(?) これに味をしめて、バスでいろいろ行きたいなあ、と思ったのですが、夫によることこのシアヌークビルへの道路(Route No.4)はカンボジアで最も平らでまっすぐな道であり、他の道中はこんなに快適ではないとのこと。 ちなみにアメリカ産(道路)。どうりでまーーーーーっすぐだったわけだ。。 (2006年3月1日) バスを降りると、早速モトドック(バイクタクシー)の運ちゃんたちに囲まれる。モトドックをしきりに怖がる夫だが、この地ではNo Choice。2台雇って、まずは腹ごしらえに。 街中なのだが、路地を入った静かな一角に、Starfish Bakery Cafeというカフェがある。NGOが運営しているカフェ&マッサージのお店で、いかにもヨーロピアンな作り。(またか)居心地のいいカウチで欧米人のお客さんたちが読書をしつつ、くつろいでいる。 サンドイッチのご飯を終えてから、いざ海へ。 モトドックの後ろに乗って風を切って走るのは気持ちがいい。 が、夫にとっては、これが初めてのモトドック体験。大丈夫かな、振り落とされてないかな~?と思って振り向くと、果たしてまだ振り落とされてはなかったが、帽子がなかった。どうやら風に吹き飛ばされた模様。こんな日差しの強いところに来て、いきなり帽子なしかよ!とろくせーやつ。。 ゲストハウスに到着。 小さくて小ぢんまりしているけれど、ビーチのすぐ近くだし、きれいだし、なんといってもエアコンがあるから(夫はエアコンがないと生きていけない)まあいいか。と思って決定。 そして、とうとうビーチへ! わーい、海だ、海だ~! ------------------ 今回の小旅行で、私たちは大事なことを学んだ。それは、 「2年前のガイドブックを信じてはいけない」 ということである。 まず赴いたのが、Ochheuteal Beach。 2年前のガイドフックには、 「リゾート気分を楽しみたいなら、迷わずここへ。ヤシの木を渡る波と風の中、自然が満喫できる。」 と書いてある。 が。やっぱり2年は長かった。 別に特にリゾート気分を満喫しようという目的があったわけではない。 しかしながらこの変わりよう。白浜のビーチには、バーやレストランが並び、にぎやかな音楽がガンガンかかっている。なんといってもローカルの華行楽客が多い。あと欧米人。欧米人って、ほんとうにこういうところが好きだね~。そして物売りの人たち。 頭の上に、蟹や海老のあげたものをたんと積んで売りに来るおばさん。マッサージ用具を担いで、砂浜に寝転ぶ海水浴客の間を練り歩く娘さん。ハンガーに小物や絵をかけて、売り歩く子供たち。 そして極めつけは足のない、目の見えないおじさんたちの物乞い。 いや~多い多い。こんなにたくさん物乞い攻勢にあったのはほとんど初めてである。 こういう人たちを目の前にした時、人はそれを無視できないタイプと無視できるタイプに分かれると思う。 無視できないタイプの人はまた、時々物を買ってあげたり、お金を恵んであげる人たちと、逆にものすごく気になってしまって怒ったり欝になったりする人たちに分かれる。気の毒にウチの夫はこの後者だった。 私は、ちょっとほほえんで首を横に振ることができるのだが、彼はずっと寝(たふりをし)ていた。なるほどなあ、こういう人たちが、さっきのNGOのCafe(売り上げは子供たちと障害者のためにつかわれている)とか運営することになっちゃうんだろうなあ。と思った。 夕方はゲストハウスのあるSerendipity Beachに移動して、ご飯を食べたのだが、ここでも状況は変わらない。子供たちは結構遅くまでうろうろと働いているようだった。夫は「この子たちはどうしてこんなに遅くまで外にいるんだろう?親はいるんだろうか?」とかなんとか心配している。 カンボジアでは確かに子供の人身売買が盛んで、子供たちの一部はこうして物売りなどとして売られてくるらしいが、シアヌークビルの子供たちはどうだろう?親らしき大人がうろうろしていることもあるし、あんまりそうは見えないけれど。。むしろ、レストランもバーも彼らの侵入を許しているところを見ると、こうした物売り、物乞いも立派な(?)地場産業の一つになっているのではないだろか? 夫はとても悲しくなってしまって、早々に部屋に引き上げてしまった。 一人でビーチを見ながら座っていると、目の前で仕事を終えたらしい子供たちが遊び始めた。男の子たちが走り回ったり、取っ組み合ったり、思い切り身体を動かして遊んでいる。ときどき酔っ払った欧米人の若い男の人が彼らに混じってじゃれていく。2-3人の女の子たちがそれを見ながら、こしょこしょと話している。 私はこういうたくましく生きる子供たちを見て、悲壮感しか感じないというわけではないけれど、この子たちの将来はどうなるんだろうなあ。。と思わずにはいられなかった。 ---- しかしこんなセンチメンタルな思いはほんの序の口。。本当の苦しみはこれから始まるのだった。。 つまり、土曜の夜に静寂を望むなかれ。 教訓は、欧米人の多いビーチ、もしくはゲストハウスには、静寂や平安を求めてはいけない。一緒に夜遊びする気とできる体力がある時にしか、訪れては/泊まってはいけない。ということであった。 結局大音響が止まったのは、午前2時を過ぎるころ。 私たちにとっては、ほんとーにお疲れ様~な休暇であった。 ------- しかしそれだけでは寂しいので、翌日バスが出るまでの数時間、隣のSokha Beachに行ってみる。 2年前のガイドブックには、 「小さな売店が並び、庶民的な海水浴場といった風情」 今や、巨大リゾートホテルが建ち、真っ白なホテル専用ビーチが1キロほど続く、自然の波と風の感じられる静かなビーチとなっていた。 夫は物乞いのいない海辺でしばしの休息を得た模様。 次に来る時は、素直にここに来ようね。と、約束したのであった。 疲れたけど、面白かった。。というか、いろいろ考えさせられてしまった休暇だった。休暇にいろいろ考えたい人にはオススメのビーチかも。。 (2006年3月3日) ジャンル別一覧
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